ホテルオークラ東京の別館12階にあるフランス料理/ワインダイニング『ラ・ベル・エポック / バロンオークラ』のランチへ行ってきました。
今回予約したのは、肉料理と魚料理のWメインや 、デザートワゴンから自由に選べるケーキが付いたフルコース。また、公式HPからの予約特典でクレープシュゼットも頂きました。
ランチコース
~Menu Degustation~
8,800円(税・サ込)
公式HPからの予約でクレープシュゼット特典付(平日)
このランチコースは 一休.comでも同価格で予約できますが、クレープシュゼット特典が付くのは公式HPからの予約のみのようです。(一休特典の「シェフパティシエの特製デザート」は、クレープシュゼットとは別の品になる、とのこと。)
ブッフェではありません。
ランチコース~Menu Degustation~
アミューズ・ブーシュ
まずは食前のお楽しみ、ウイキョウのムースとコンソメスープのジュレ。
この琥珀色のコンソメは、オークラ伝統のダブルコンソメでしょうか。肉の塊が思い浮かぶような 濃厚なコクを感じます。
ほのかにスパイス香るムースと相まって、たちまち食欲上昇。
パン
パンは 胚芽ブリオッシュとパン・ド・カンパーニュの2種類。
ランチタイムに合わせて焼き上げ、リベイクをせずに提供するのが こだわりだそう。熱々ではありませんが、水分と酵母の香りが感じられます。
ブリオッシュは ふんわり軽い、歯切れの良い生地。
パン・ド・カンパーニュは 厚めのクラストがパキパキと音を立て、頬張るごとに小麦粉の芳ばしさが広がります。
バター
バターは 国産の無塩発酵バター。(食べかけで申し訳ありません。)
発酵らしい風味が強く、チーズにも近いような 芳醇さ。それでいて口溶けはサラッと、高貴なバターでした。
前菜
鮎のグリエとオリーブ風味の茄子のピューレ。
川魚の鮎を使った前菜は、盛り付けのテーマも「川」になっています。茄子のピューレの川に、アーモンドの小石、香草類の水草、細~く切ったズッキーニの藻。
網目状に焼かれた鮎は、炉端焼きを思わせる香ばしさ。身の中には内蔵を使ったソースが入っていますが、炙り目の苦味と融和し、川魚らしくも 嫌な臭みは全く感じさせず、見事な品でした。
冷製ポタージュ
キュウリとフロマージュブランの冷製ポタージュ さわやかなミントの香り。
冷製ポタージュは キュウリの青々しい香りを活かした ユニークな品。和食で言うところの”すり流し”に近い感じ。
正直、これは唯一口に合いませんでした。
青々しい、つまり、青汁っぽさを感じてしまった。
魚料理
新鮮なスズキポワレ 色鮮やかな野菜のソース。
魚料理は、脂の乗った いかにも美味しい白身魚。
オリーブオイルと ほんのり酢味の夏野菜、といったシンプルな調味で、スズキの旨味を存分に味わえました。
身が ぷりっと密。
パン
おかわりのパン。
食べきる前に「もっといかがですか?」と声をかけてくださり、喜んでもう2つ。
肉料理
仔羊のロースト オレンジ風味のラタトゥイユとともに ソースラシェルとシンプルなジュ。
肉料理も、素材そのまんまの 正直な味わいでした。
筋肉質で弾力があり、羊肉の旨味が じわりじわりと主張を強める。
こちらの料理は ソースがコテコテしておらず、素材の味を生かすタイプのようですね。
羊肉が苦手な同伴者には、鶏肉の赤ワイン煮込みを用意して下さいました。
カプチーノ
ドリンクは、メインを食べ終えるとすぐに提供されました。
ガトーワゴン
デザートは全5品がワゴンで登場し、好きなものを自由に選べるスタイル。
「5品を少しずつ盛り合わせましょうか?」とナイスな提案をいただき、お言葉に甘えて。(元から全部食べる気満々でしたが、こちらから申し出るよりも 欲張り感が出なくて嬉しい。笑)
シュークリームは ややチープな風味がしましたが、概ね美味しかったです。
ガトーショコラは ガッチリ固めで クラシックな作り。
ショートケーキは クリームがシッカリ甘く、ひと切れで満足できるような存在感のあるタイプ。ちょっぴりレトロな甘さではありますが、キメ細かいふわふわのスポンジは好印象でした。
伝統の技「クレープシュゼット」
公式HPからの予約特典、伝統の技「クレープシュゼット」。
年季の入った歪なフライパンをはじめ、40年使い続けているという調理器具を使い、目の前で作り上げてくれます。
これが見たく、食べたくて来たようなもの。(予約特典のサービスですが、単品注文すると3,000円以上する逸品のようです。)
バターがこんなに!?と驚きましたが、ホイップクリームやリキュールなど 色々なものがMIXされているらしく、この白い山すべてがバターというわけではないそうです。
こんもりした白い山が溶け切ったところで、フレッシュオレンジジュースを じょわ~~っっ。
そこに、オレンジ&レモンの果皮の香りを移した角砂糖が投入されます。
輪切りレモンが入った!と思ったら、スプーンの背でキュッっと押しただけで 即座に取り出される。ほんの香り付けだったようです。
手際よく4つ折りにしたクレープを、沸々。
そこに、キルシュ、コアントロー、グランマニエが、次々と加えられます。結構ドバドバいくのに驚きました。
シェフは いとも簡単そ~にやっていますが、不器用な私からすれば魔法レベル。
ブランデーをコンロの中で温め、螺旋オレンジ伝いに フライパンの中へ。
お昼なので 肉眼では炎があまり見えませんが、実際には 青い炎が果実全体を纏うようです。
夜は さぞ綺麗でしょうね。
仕上げに、ピッ!ピッ!と オレンジ果肉が2切れ削ぎ落とされ、
オレンジ果汁と酒類を たっぷんたぷんに吸収したクレープ。調理過程で散々良い香りを撒き散らしていましたから、そりゃあ美味しいに決まっていますよ!
オレンジが これでもかと濃厚、それでいて、フレッシュ感を損なわない キュンッと来る甘酸っぱさを感じます。
アルコール分は すっかり飛んでいますが、豊かな香りは残存し、その美味しさにクラクラ酔いしれます。
クレープで回収しきれなかったオレンジソースも 美味しく完食。
これは食べに行く価値あり。
小菓子ワゴン
最後に、20種類以上の小菓子を乗せたワゴンが登場。もちろん、全部頂きます!
カプチーノも新しいものに替えていただき、至れり尽くせり。
全体的に、糖分を感じるお味。先程の「ガトーワゴン」よりも小菓子類のほうが作りが凝っていたように思います。
左上のピンクと白はギモーヴ。長いホース状のものを その場で切り分けてくれました。
サブレはパルメザンチーズ味があり、ほのかな塩気が美味しかったです。
マカロンやチーズケーキ、ショコラ。
可愛いタルトと、3種のフィナンシェ。ネットリした栗入りフィナンシェがお気に入り。
以上
素材をシンプルに生かした料理、ゴロゴロ音を立ててやってくるケーキ&小菓子ワゴン、そして オークラ伝統のクレープシュゼット。約2時間のランチコースは、とても美味しい楽しい時間でした。甘いモノ率がやや高めですが、量、味ともに満足度は非常に高いです。
オークラ伝統と言えば、超有名なフレンチトーストは未だ食しておらず、いつか味わう日がとても楽しみです!